腰痛を治す脳のはたらき

腰痛と脳の関係

厚労省研究班の調査によると、いま腰痛でお悩みの方は2800万人、 実に日本人の4人に1人に及ぶと言われています。中でも問題なのは、3か月以上続く「慢性腰痛」の人が半数以上を占めると考えられています。

通常なら、腰痛の原因となる腰の骨や筋肉の異常は3か月たたずに改善するはずです。
痛みの大元は改善しているはずなのに、なぜか痛みが長引く人がたくさんいるというのは、一体どういうことなのでしょうか?

最近の研究で、痛みの長期化(慢性化)に「脳」が大きく関わっていることがわかってきました。脳にはもともと、痛みを抑える鎮痛の仕組みが備わっているのですが、 慢性腰痛の人ではその仕組みが衰えていることがわかってきたのです。

「DLPFC(背外側前頭前野)」[Dorsolateral prefrontal cortex]とは?

脳の各部位で喜怒哀楽の感情や、睡眠、食欲をコントロールしています。
※頭蓋骨に近い脳の表面の前頭部の一部がDLPFCです

「DLPFC(背外側前頭前野)」の機能

①判断、意欲、興味をつかさどる・・・機能が低下すると、やる気がなくなる

②扁桃体(へんとう体)のバランスを整える・・・扁桃体(へんとう体)は、不安、悲しみ、自己嫌悪、恐怖などの感情をつかさどる。機能が低下すると、これらの感情が強く出てしまいます。

DLPFCを衰えさせる原因「腰痛への恐怖心」

そのDLPFCが、どんな働きをしているかというと、痛みの回路を沈める指令を出すところです。

DLPFCの活動が衰えているため、腰痛が治っているにも関わらず、痛みの回路を沈める指令が満足に出せないため、痛みが出続けているというのです。

つまり、慢性腰痛は「幻の痛み」だということです。DLPFCが活動が衰えているかどうかは、脳の活動を調べる検査でわかるそうです。最近では、慢性腰痛を診る場合は、脳も含めて診る必要があるという考え方に変わりつつあるようです。

ではなぜ、痛みを沈めるDLPFCが衰えるのか?それば痛みへの強い恐怖心だというのです。強い恐怖心が脳の中で生まれるとDLPFCにストレスがかかり、次第に活動が衰えていくそうです。

この幻の痛みのメカニズムは、たぶん長年普通に歩くことさえままならない腰痛患者にとっては、受け入れ難いことだと思います。でもこれが慢性腰痛の原因の一つだと考えられているそうです。

 

 

慢性腰痛から抜け出すには、どうすればいいのか?

幻の痛みのメカニズムで考えると脳の衰えたDLPFCの活動を元に戻し、痛みの回路を沈める指令を出すようにすることだといいます。では、どうしたらDLPFCは元に戻るのか?

DLPFCが衰える原因は、痛みからの恐怖心でした。だから痛みの恐怖心を取り除けば、元に戻るといいます。

1:専門家の意見


ヘルニア手術の権威・医師の稲波弘彦先生(医療法人財団岩井医療財団理事長/稲波脊椎・関節病院院長)は「ヘルニアになったら必ず手術しなければならないという考えは間違いです。ヘルニアの9割は自然に消滅します。怖がらずに動きましょう」と云っています。

2:1回3秒のこれだけ体操

そこで腰痛の専門家、東京大学医学部附属病院 准教授 松平浩先生監修のもと恐怖克服法が紹介されました。松平先生が提案する1回3秒のこれだけ体操です。これは以前、別番組でぎっくり腰予防策としても紹介されました。

今回の目的は、慢性腰痛の方に恐怖心を取り除かせるものです。
この腰を反らせる姿勢は、腰痛の人にとっては痛みの恐怖を感じさせるものです。

あえて行うことで、痛みが伴わないということを認識させ恐怖心を取り除く方法です。
番組の実験では、克服法1で改善されなかった、107人中70人が参加、2週間行ってもらったところ、約45%の32人に改善が見られました。

※もし、この姿勢で腰からヒザにかけてしびれが出る場合は神経が圧迫されている可能性がありますので中止してくださいとのこと。

3:認知行動療法

いま、注目されているのが認知行動療法だということでした。
認知行動療法は、たびたび聞きますが、うつ病の治療法としてよく行われている方法です。

それを慢性腰痛の患者に対して行うというものです。

オーストラリアでは、劇的に改善されていると注目を浴びていました。

実際、オーストラリアの病院で行われている認知行動療法は、毎日8時間、カウンセリングと運動を1時間ずつ繰り返すというものでした。
これを3週間、徹底して行うことで恐怖が改善され9人中8人が腰痛が大きく改善されました。

認知行動療法によって脳の衰えたDLPFCが活発になるというデータもあるそうです。
認知行動療法がかなり有効な手段のようです。ただオーストラリアの3週間の治療を見る限り、簡単なものではないという風に思われます。

実は日本でも2012年の腰痛診療ガイドラインから認知行動療法が加えられているんですね。
それも慢性腰痛治療で強く推奨する方法として、運動療法、一部薬物療法と共に認知行動療法がありました。

このことを一般の人で知っている方はあまりいないのではないでしょうか。でもなぜ広まらないのか。
保険適用外ということで、あまり行っている施設がないそうです。全国に先駆けて行われているのは福島県立医科大学です。

どうも自分が嫌いな上司に会わなきゃならないときとか苦手なことをするときに、脳がそれを避けるために悪戯して痛みを出すようなのです。にわかには信じられませんが・・・

どういうことかといいますと、「ストレスがかかると脳のDLPFCの活動が衰える」でしたね。

ですから、バカバカしいと思うかもしれませんが、

「心配するな!あんなの大したことない」

とか

「俺はすごいんだ!なんでもバッチリできる!」

とか

「腰なんか痛くない、絶好調だ!」

とか、積極的な言葉を繰り返して、脳にインプットするのです。

そんな簡単なことで俺の腰痛が治るのか?

まぁ、やってみてください、費用も発生しませんので。

(出典:NHKスペシャル取材班「脳で治す腰痛」主婦と生活者)

施術料 4,500円 約45分


岐阜県揖斐郡大野町加納23番地3

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